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食品と効能

  • 執筆者の写真: Fuming _
    Fuming _
  • 2024年4月24日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年4月24日



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この頃、手に溢れる位に大量のサプリを常食している人がいますが、誰しも好ましいこととは思えないでしょう。私自身はサプリの存在を否定しません。しかし選ぶには自身の体質や状態、そしてサプリそのものの品質と自身との相性選定が大切だと思っています。


時々、身体を壊したご主人をあんじた奥様が、あれこれ探してきては常食を勧め、いつの間にか手のひらいっぱいの量になっているご主人を見かけます。そうしたやさしい奥様に一つだけ…。健康食品以前に、日々の食生活を見直されてはいかがでしょうか?


健康維持や増進の理想は無添加、無農薬の地物・季節ものの食養生。ところが現代は季節問わず何でも手に入りますし選択肢が多すぎるのでしょうね。ちょっと不調を感じると、それを補えるとうたう食品が無数に存在していますから良かれとあれこれ選んでしまうのかもしれません。


例の騒動は販売元が製薬会社ということも手伝ってあたかも「サプリ」という存在そのものの善悪と捉えがちですが、そもそもサプリは薬ではなく栄養補助食品です。サプリを常食したからと言って基本的に何かの病気が治るというわけではありません。


サプリは天然由来のものと合成由来の物が存在し、いずれも多くは摂取しやすいよう錠剤型に加工して販売されています。ですので余計に誤解されやすいのかもしれません。


その加工段階でカプセルや粉末を固める目的等、添加物が使用されていますが、中には加工段階で使用するものすら天然由来にするなど、企業努力をしているメーカーも存在します。


仮に合成サプリであったり加工段階の添加物が含有していたとしても、短期間で今回のような事態に至るとは考えにくいでしょう。ですから今回の問題は食品による食中毒事故であると認識した上で議論することが必要だと思っています。


その中でも何も起こらなかった人も存在します。勿論ロッドの問題はありますが、そもそもその差はいったいなんだったのでしょうか。


中国伝統医学の観点からすると、表にあらわれた症状には必ず裏の成り立ちが存在します。鼻炎が勃発したからと言って、鼻だけが病んでいるかというと決してそうとも限りません。即鼻炎薬を投与する西洋医学もありますが、根治を目的とするには原因を突き止め、その部分の改善をはかることが必要です。


こうした成り立ちは一般の方に解明することはできませんから、やはり安易に市販食品に効能を掲げるべきではないとも言えます。


むしろ、効能を掲げた食品を求める人というのは、その部分の身体的機能が低下している人とも言えますから、安易に摂り入れることで、万一身体との相性が悪かった場合、更なる低下を呼び起こす可能性すら孕んでいます。


実は国内で薬膳食材の位置づけで販売されている品々も闇が孕んでいるケースが多いのです。表面化していないだけで同じ穴のむじな。この件は折を見て別の機会で投稿したいと思います。


やはり表記というものは大切ですね。日本では薬膳料理に使用される中国乾物食品に対し、明白な効能は掲げられないことになっています。それを販売する側としてはもどかしいさを感じ、薬膳師としても扱いに困ることもありますが、今回のような事故が起こると、逆にそうした法の規制があってよかったと思えます。


健康なら何を食べても良いはずですが、一方で、身体の弱い部分はそれだけ抵抗力も落ちていますから、日々継続する食生活も、自身の弱い部分をよく認識して、その部分が食生活によって悪化しないように、バランスのとれた食生活を心がけたいものですね。

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